色の意味を知る②
【緑】自然に囲まれたようなくつろぎと安心感の色
植物そのものを指す緑。色においても植物と同等の効果があります。
疲労やストレスでダメージを負った細胞を再生させる神経伝達物質のアセチルコリンの分泌を促し、癒しや安心感を感じさせ、気分を落ち着かせてくれます。
なお、緑の可視光線の位置はちょうど中央。偏りがないため眼の負担が少なく、長時間見ていいても疲れにくい特徴があります。
また、中性色なので寒暖間もほぼなく、いつでも安定して使える色といえるでしょう。
緑という字が入っていても印象が全く違うのが、黄緑。新芽が芽吹いたかのような、生命力にあふれ、成長していく力強さを感じさせます。
保育施設などで多く取り入れられ、空間に活発な印象をもたらしています。
【青緑】開放感や希望を感じさせるポジティブカラー
南の海や空のような爽快な解放感を与えてくれる暖かさを感じる色。
希望や若さ、自由さといった印象があるため、リゾートファッションなどでも取り入れられることが多いです。
青と緑の2つの波長をもつので安心感とストレス解消の効果をもたらしますが、さらにクリエイティブで芸術的な感性も後押ししてくれるのがこの色の特徴。
同じ青系統とはいえ、青が持つ冷静さや沈静的なイメージとは一線を画す色です。
また、睡眠障害や憂鬱の研究が進む中、484nmの波長に位置する青緑は、睡眠と関係の深いメラトラニンのコントロールに有効であると判明。海外では光療法の一環として取り入れられています。
【青】心身をクールダウンさせる爽やかな色
世界的に人気の高い青。心身ともにクールダウンさせ、ストレスを解消してくれる色です。
誠実さや信頼、知性を感じさせるため、企業ロゴなども多く使われています。
また、寒色の代表色で、涼しさや爽やかさを感じさせます。
日本では藍色をはじめ伝統色にも数多く残されており、馴染み深い色です。
青には副交感神経を介してセロトニンを分泌させ、心拍数や呼吸数などを抑え、心身を落ち着かせる働きがあります。
勉強部屋や落ち着いた話をする会議室などに取り入れると、冷静で集中しやすい環境ができるでしょう。
しかし、ずっと見続けているとふさぎがちな気分になることもあるので、使う分量などには気を付けましょう。
【紫】動と静の両方をあわせ持つ神秘的で高貴な色
高貴な色と称される紫。昔は紫の顔料は大変希少価値があり、身分の高い人しか身に着けられませんでした。
また、緊張感や不安感などを引き起こすノルアドレナリンを分泌させるため、畏怖の念を抱かせる効果もあったでしょう。
紫は動的な赤と静的な青に挟まれており、色域が広いことが特徴です。
高彩度だと下品に感じさせることもありますが、赤み寄りだとドラマチックに、青み寄りだと上品な印象を与えます。
二面性をもつミステリアスな色ですが、自分の内面に深く向き合い、癒してくれる効果もあります。
心のバランスを取りたいときにも手助けしてくれるでしょう。
これまで色が与える印象についてご紹介してきましたが、心理効果を知れば、空間のデザインを行う時などに色を効果的に使うことができるでしょう。
ぜひ参考にしてください。